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Webマーケティング デザイン

ブレないコンセプトがWEB品質を飛躍的に上げる

2018/10/27

Webのコンセプトワーク

みなさん、こんにちは。代表の三崎です。

面白い動画やWEBコンテンツが日々生まれ、私たちはそれらを観て、欲しくなったり、行きたくなったり、感動したり、さまざまな影響を受けます。

皆さんも、キャッチやストーリーに「共感」して商品を注文したり、きれいな映像を観てそこへ行ったりした経験があると思います。
それって、キャッチやストーリーや映像が優れているからと思ってしまいがちですが、実はそれだけではありません。

優れたコンテンツや商品やサービスには必ずベースとなる「コンセプト」があります。仕掛ける側は、コンセプトをすべての基本としてキャッチやストーリーや映像を生み出します。
正しく魅力的なコンセプトを持つことができれば、良い結果につなげることができます。

今日は、コンセプトの重要性とコンセプトワークについて考えてみます。


今さらだけど、コンセプトって何だ?

「コンセプト」の意味を調べると「概念」と書かれています。(Wikipedia 他)

但し、カタカナで「コンセプト」と言う場合は「商品・企画・作品などの全体に貫ぬかれた視点や考え方」という意味が一般的です。

1)よく耳にするのは
「この商品のコンセプトは~」とか「コンセプトを表現したデザインがこちらです。」など、よく耳にするフレーズです。

モーターショーに出展される「コンセプトカー」は自動車メーカーが目指す方向性やデザインを具現化した車です。
最近は、映画、ゲーム、アニメなどでリリース前にアイディアやデザインを「コンセプトアート」と呼ばれるイラストで表現するケースが見られます。

逆に、言っていることと出来上がったものがバラバラだったりすると、「コンセプトが一致していない。」と指摘されてしまいます。

2)私も「コンセプト」という言葉を使いますが・・・
私も仕事で「コンセプト」という言葉を使います。
デザインや企画の根底にある考え方、方向性を指す言葉だと思っていますが、正直言って、本来はもっと深く掘り下げてから使うべきと感じています。

浅く終わらせてしまいがちな「コンセプトワーク」をもっとしっかりやって、「おお、これだ!」と落ちるところまで毎回できたら、WEBデザインの品質も企画やプロジェクトのレベルも確実に上がると思います。

3)著名クリエイターたちは「コンセプト」をどうとらえているか
著名なクリエイターやアーティストたちはどんな「コンセプト」で企画やデザインと向き合っているのか、調べてみました。

必ずしも「コンセプト」という言葉を使っていないケースも含まれますが、今回取り上げたい「コンセプト」の意味に近いと思ったものを引っ張ってきましたので参考にご覧ください。

安藤忠雄(建築家)
「人が来て、心の中に残るものが作りたいと思った。」
(大阪府茨木市の「光の教会」のコンセプト)

出典:YouTube「安藤忠雄スペシャルインタビュー『安藤忠雄展 ―挑戦― 』」

佐藤可士和(アートディレクター)
「問題を正確に把握できさえすれば、自然とアイディアは出てくる。」

出典:リーダーたちの名言集「名言DB」

猪子寿之(デジタルクリエイター)
「これから勝てるのは、再現性が低いことだけ。」

出典:世界をログする書き起こしメディア「logmi(ロゴミー)」

佐藤オオキ(デザイナー・建築家)
「デザインをすることは、クライアントに贈るプレゼントを考える行為に近いです。その人のしぐさを見たり、いろいろな話を聞いたりしながら、相手が欲しいものだけではなく、本人は自覚してないけど、これをもらったらうれしいのではないかと思うプレゼントも探すような感覚です。」

出典:Sankei Biz

フツーの出来事にもヒントがある

上記の著名人たちに共通しているには、多くの人に感動を与える仕事や作品を生み出していること。

彼らの映像や記事をメディアで見ると、独自の視点や考え方を持ち、ブレずにハイレベルな最終ゴールを達成しているように感じます。

その視点や考え方が「コンセプト(商品・企画・作品などの全体に貫ぬかれた視点や思想やテーマ)」の役割を担い、プロジェクトを成功へと導く原動力になっているんだと思います。

私にもこんなフツーすぎる経験があります。

オレ(株式会社アン)
仕事用のシャツを買いに行き、いろいろ見ていたらカジュアルなデザインのシャツを気に入ってしまいました。どっちにしようか迷って決めきれなかったので、先にお昼ご飯を食べに行きました。食べながら考えていると「今日は、来週着る仕事用のシャツが必要だから買いに来たんだ」ということを思い出し、結局白いカッターシャツを買いました。
目的を達成できたので、すっきりした気分になり、カジュアルなシャツは来月買おうと冷静に判断できたので不完全燃焼にもなりません。

これって今日の買い物のコンセプトを思い出したことになると思います。

オレ(株式会社アン)
1年ぶりにゴルフに行きました。久しぶりなので前半スコアが悪く、余計に力が入ってさらに悪くなりました。休憩の時に「どうしたら調子が上がるだろう!」と必死で考えましたが、冷静に考えると「今日は1年ぶりだから、スコアは気にせず楽しくプレイしよう」と決めていたことを思い出しました。
後半は、一緒の組の人たちと楽しく会話しながら回ることができて良い1日となりました。

これって、朝考えていたことをちゃんと思い出せたので、楽しく過ごせたことになりますね。

↑ こんなフツーのことなら誰でも経験ありますよね。
行動や思考に根本的な視点や基準があるとブレにくくなり、結果的に良い答えを出すことができます。

コンセプト(=全体に貫ぬかれた視点や思想やテーマ)が、ブレそうな時や迷った時にちゃんと方向を正してくれる重力のような役割になってくれます。
だからこそ、曖昧にせず、最初にしっかり考え、話し合って決める必要があると痛感します。

ちゃんと考えたつもりだったのに、いざ質問をされるとちゃんと答えられなかったという経験ありませんか?
自分の仕事や主張の信頼性を高めるためにも「全体に貫ぬかれた視点や思想やテーマ」をしっかり持ちたいものです。

まず、関連ワードで思考に火をつける

「さあ、今からコンセプトを考えてください。」と言われても、一体何からすればいいのか、普通はわからないですよね。

そもそもコンセプトという言葉の定義も、コンセプトを考える手法も人によってさまざまです。

私は、コンセプトは「アイディアがわかりやすく書かれたもの」だと思っています。
商品やサービスについて、提供する側にも受ける側にもわかりやすくて魅力的なアイディアであれば、みんなそれを見て動くことができます。

1)過去を思い出して
つまり、過去に良いアイディアを出せたケースでのきっかけや動機を思い出すとヒントになるはずです。

人の話を聞いてアイディアが浮かんだ経験があると思います。誰かの文章やワードからピンと来たわけです。連想ゲームみたいに、最初に何かが与えられたら思考しやすくなります。逆に、何も与えられないと考えることは難しく、「何かヒントちょうだい。」となります。

コンセプトワークにおいて、関連するワードを自らリストアップしてみることはとても有効です。ワードを見ているとユーザーのストーリーが浮かんだり、大切なことを発見できたりします。

2)関連ワードの洗い出し
9マス表を使って関連ワードを洗い出す方法をご紹介します。

コンセプトワーク9マス表

上の写真のような9マスの表を準備します。中央の表のど真ん中にスタートとなるワードを書きます。
そして、そのワードから連想するワードを周りの8個のマスに書き込みます。

コンセプトワーク

スタートのワードを「犬」としました。そして「犬」から連想する「しつけ」「エサ」「散歩」などを周囲に書いていきます。
最初の9マスが埋まったら、今度はそれぞれのワードを外の表のセンターに書き込みます。そして同じように連想したワードを書きます。

視点をニュートラルにし、ワードのシーンを想像すると、さらに関連するワードが出てきます。そしてそれらのワードを順に追っていくとストーリーが出来てきます。
「犬が吠えて困っている飼い主は、吠える理由が知りたくなり、ドッグトレーナーに相談しようとネットで検索する。」
「犬が病気になると飼い主は動物病院を探すので、診察時間と交通アクセスをわかりやすく載せたら集客につながる。」
など、犬を飼う人のニーズや行動が見えて、ビジネスチャンスのヒントになるでしょう。

3)あとで役立ちます
この段階で何か核心的なものが見つからなくても慌てる必要はありません。
関連ワードの洗い出しができていれば、コンセプトワーク全体で役に立ちます。

脳みそが煮詰まった時には、このシートのワードを眺めるだけでヒントになり、思考が動き出したりします。

カンタンな方法ですので、ぜひ試してみてください。

ポジション分析で勝負ネタを見つける

ポジション分析は業界内での自社の立ち位置を明確にするためにおこないます。

何が自社の特徴で、強みは何なのか、そして9マス表で見つけたユーザーのストーリーにどのように対応できるかを考えます。自社が何で勝負できるかが少しずつ見えてくるはずです。

自社のポジションを見つけることは、レッドオーシャンから抜けるヒントにもつながります。
他社と同じポジションで競合して価格競争に巻き込まれるのを避けることは会社として重要な課題のひとつです。

営業現場、または経営全体、いろんな次元でポジション分析が展開すると思いますが、いずれも、最終的なコンセプトの「誰に、何を、どのように」を考える大きなヒントになります。

ポジション分析の具体的な手法は改めて別の記事でご紹介します。

コンセプトは「誰に」「何を」「どのように」で簡単に

すでにここまでのプロセスだけでも時間はそれなりにかかります。頭を使いますし、エネルギーも消費しますし、まあ大変です。

しかし、コンセプトワークには的確なプロセスでしっかり時間をかけるべきと思います。それは、実際のデザイン(=制作・ものづくり)の段階でブレが減り、高精度のアウトプットが得られるからです。それはトータルとして「効率的」であり「お得」です。

皆さんもこれまでの経験で、「なぜか、すんなり行った。」「スピーディに進んだ。」「アイディアが良かったとほめられた。」ということがあるはずです。「なんとなく」とらえていると理由がわからないのですが、多くの場合、最初にちゃんと頭を使って考えたからでは?

であれば、最初にしっかり頭とエネルギーを使って、良い結果を出そうということです。これがコンセプトワークです。

ツールを使ってみる
つい先日、「ビジネスモデルゼネレーション」という本を買い、コンセプトワークを試してみました。

この本に紹介されている「ビジネスモデルキャンパス」というマップツールを使うとビジネスモデルのベースを短時間で導き出せるのですが、このマップの一部がそのまま「誰に」「何を」「どのように」になります。

ビジネスキャンパスモデル

愛犬の問題行動(吠えるとか、咬むとか)で困っている人にプロのトレーニングを提供し、問題を解決して、愛犬と楽しい日々を過ごしてもらうことをビジネスモデルにした事例です。

<コンセプト>
①誰に

犬のしつけで悩んでいる人に

②何を
愛犬との楽しい暮らしを提供したい

③どのように
オンラインカウンセリングと実際のしつけ教室を会員制サービスで

となります。

「愛犬との楽しい暮らしを提供したい。」のですから、犬のしつけで悩んでいた利用者が「楽しく暮らせるようになりました。」と評価しなければサービスの価値を提供できたことになりません。
関係者がブレることなく、利用者の満足度向上を目指すことが指標になります。売上が上がったから満足していたら、いずれ利用者が減って売上もなくなります。

全員にとってわかりやすく、なおかつ経営的な指標にもなり得るような魅力的なコンセプトがあれば、一貫性があってブレないビジネスが展開でき、無駄や不効率も発見しやすくなります。

そのためにも、「誰に」「何を」「どのように」という簡単な表現を目指してください。

まとめ

コンセプトづくりの達人などいません。コンセプトワークのセミナーで講師をしている人だって、セオリーを語っているに過ぎません。あ、本音で失礼(笑)。

自分に与えられた使命を達成するために、懸命に考え、想像し、具現化し、人に見てもらい、手直しをして少しずつゴールに近けていく。
この責任感と努力、簡単に満足しない志の高さこそがコンセプトワークのコンセプトと言えるかもしれません。
1)コンセプトとは
企画・商品などの全体に貫かれた視点や思想。これがあるとあとでブレることが減り、チーム全体がゴールに向かって効率的に進むことができて、品質の良いアウトプットが得られる。

2)価値のあるコンセプトとは
・誰にもわかりやすく、魅力的であること。
・他社がマネしにくいコンセプトは強い。

3)コンセプトのまとめかた
①誰に
②何を
③どのように

4)その他
・9マス表で関連ワードをリストアップすると考えやすくなる。
・自社のポジションを明確にすることでユーザーのリクエストに応えるストーリーが見つけやすくなる。
・大切なことは、懸命に考え、アイディアを絞り出して、具体化すること。そのための努力を惜しまない。